日本の夏は毎年「猛暑」に! 「暑さをしのげる家」を建てたい
最近の日本の暑さは、尋常じゃない。
私が子供の頃は違った。8月でも、30℃を超える日はそんなに多くなかった。
でも、最近は違う。
昔と今、気温がどう変わったのか、
私が住んでいる横浜で1976年と2018年の8月の平均気温を調べてみた。(気象庁「過去の気象データ」より)
1日の平均気温 | 最高気温平均 | 最低気温平均 | |
1976年8月 | 24.9 | 28.4 | 22.0 |
2018年8月 | 28.1 | 32.1 | 25.3 |
やっぱり!
すごくないですか? 1日の平均気温は約3℃上昇。最高気温は約4℃上昇。
こんなデータもありました。
※平成28年度「都市部における暑熱対策・技術と化学産業の貢献可能性に関する調査」報告書(平成 28 年度経済産業省委託事業・一般社団法人 環境情報科学センター発行)より抜粋
昔は、「熱中症」なんて言葉さえ、聞いたことがなかったですもんね。
こんなに暑くなって、ほんとうに大変だ。
夏の暑さがしのげる家って、作れるのかな?
夏の暑さ対策には、「断熱」「遮熱」どちらも重要。
最近の家作りでは、建物の断熱性能については、各ハウスメーカーもこだわりをもって
かなり多くの説明を割いているが、「遮熱性能」については、それほど重要視はしていないようで、
大手のハウスメーカーのサイトでも、「遮熱」についてのウンチクは少ないように思う。
そのため、まだあまり知らない人も多いのではないだろうか。
「断熱」=外部から建物内部への熱の移動と伝達を減少させること
「遮熱」=太陽光(太陽熱)を跳ね返し、建物に熱が伝わるのを防ぐこと
つまり、似ているようだが、「断熱」と「遮熱」は違うってこと。
夏場は強烈な日差しが家の屋根や壁に当たると、その部分の温度はどんどん上昇し、
さらに、壁の熱はじんわりと建物内部に伝わっていくものだが、
遮熱対策がしてあると、壁の温度はほとんど上がらないらしい。
日当たりの良い家は特に、「遮熱」と「断熱」両方とも対策とる方がよさそうですね!
地中海に面しているスペインのアンダルシア地方は、夏場は日差しが強く気温は40℃を超える日も多い。
この地方では、分厚い壁を石灰で白く塗り、日差しを反射するような工夫をしている。
「白い色」は光を反射してくれるので、家の中はひんやりと快適らしい。
昔ながらの「遮熱住宅」ですね~。
(残念ながら、湿度が高い日本では、「遮熱」だけでは涼しくはならないため、家の中の風通しをよくしたり、
エアコンも使わねばなるまいが・・)
日本では、今後さらに建物のエネルギー性能を高めることが必要になってくる。
「遮熱塗料」とは「高日射反射率塗料」とも呼ばれ、太陽光のうち近赤外線領域の光線を高反射することにより、塗布した面の温度上昇を抑制することができる。建物の屋根、外壁に塗装することで室内温度の上昇を抑制する効果があると、近年期待されている。
遮熱塗料は20年ほど前から販売開始されているが、まだ広く普及しているとはいえず、建築塗料の出荷量全体に占める遮熱塗料の比率は3%程度。
消費者への認知度もまだまだ低い中、一方で遮熱塗料の機能や効果についての公的機関によるガイドラインなどもなかったため、メーカーによっては誇大広告なども行われていたそうだが、2017年にJIS K 5603「塗膜の熱性能-熱流計測法による日射吸収率の求め方」が制定され、各遮熱塗料の性能を比較評価できるようになったそう。
2015年に建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」、いわゆる「建築物省エネ法」が制定されたが、東日本大震災以降の原発の稼働停止によるエネルギー需給の見直し、地球温暖化対策のために、建築物のエネルギー性能の高めることが重要な課題になっている。
そのため、建物の遮熱対策も今後さらに重要になっていくだろう。
遮熱塗料、遮熱シート、遮熱材、いろいろと遮熱のための方法はあるが、少し調べてみた。
例えば、遮熱塗料。
1881年創業、130年以上の歴史をもつ日本ペイントには「太陽熱高反射シリコン系屋根用塗料」の「サーモアイ」という商品がある。
※「サーモアイ」の詳しい説明はこちら
断熱シートとはこんなもの。(ケーエス産業株式会社 「サーモバリア」シリーズ)
※詳細はこちらへ
遮熱塗装の代わりに、建物の屋根や壁に貼り付けるタイプ。
遮熱塗料も遮熱シートも、また遮熱材も、何十種類とあるようだ。
選ぶのが難しそうだが、ハウスメーカーや工務店さんにいろいろ聞きながら、良いものを選びたいものだ。